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代謝・血糖

「食欲の秋」はなぜ起きるのか——日が短くなることと、夏に減った分の埋め合わせ

秋になると食欲が増すのはなぜか。気温が下がって熱をつくる必要が出ること、日照時間が短くなってセロトニンが落ちやすくなること、そして夏の間に食べられなかった分の埋め合わせ——3つの重なりとして整理します。我慢で抑えるより、何を先に入れるかで変わる話を分子栄養学で。

不調を整える編集部(監修:大黒 充晴/柔道整復師・臨床23年)食欲の秋食欲日照時間セロトニン血糖季節の変わり目分子栄養学

🟢 この記事のやさしい結論(30秒でわかる)

  • 「食欲の秋」は気のせいではなく、3つが重なって起きていると考えられます。
  • 気温が下がる=体は熱をつくる必要が出て、燃料を欲しがります。
  • 日が短くなる=光を浴びる時間が減り、気分に関わるセロトニンが落ちやすくなります。落ちると、手っ取り早く上がるもの(甘いもの・炭水化物)が欲しくなります。
  • 夏に食べられなかった分=夏やせした体が、材料を取り戻そうとします。
  • だから我慢だけで抑えようとすると、うまくいきにくい
  • 変わるのは「減らす」より**「先に何を入れるか」**。とくに朝のたんぱく質と、朝の光です。
  • ⚠️ 急に食欲が増えて体重が動く・喉の渇きが強い・気分の落ち込みが続くときは、季節のせいにせず医療機関へ。

「食欲の秋」は3つの重なりです

このセクションの要点:秋の食欲は、気温・日照・夏の消耗という別々の理由が同じ時期に重なって起きます。1つずつ見ると対処が変わります。

毎年、秋になると食べる量が増える。そして「意志が弱いから」と自分を責める——という方は少なくありません。

けれど、秋の食欲は性格の問題として説明するには、あまりに毎年同じ時期に来ます

体の側から見ると、少なくとも3つのことが同時に起きています。

  1. 気温が下がり、体が熱をつくる必要が出てくる
  2. 日照時間が短くなり、気分に関わる物質が落ちやすくなる
  3. 夏の間に食べられていなかった分が残っている

この3つは、それぞれ対処が違います。だから「とにかく我慢」だと、どれにも効きません。


①気温が下がると、燃料が要ります

このセクションの要点:体は深部の体温を保つために熱をつくります。外が冷えるほど、その仕事は増えます。

人の体は、内臓のある深いところの温度をほぼ一定に保つようにできています。外が冷えれば、熱をつくって埋め合わせる必要が出てきます。

熱をつくるには材料が要ります。だから、寒くなる時期に食欲が上向くのは、体としては理にかなった反応です。

問題は、何で埋めるかのほうです。ここで甘いものと炭水化物だけを入れると、血糖が上がって下がる波が大きくなり、下がったときにまた欲しくなるという形になりやすくなります。

寒暖差そのものの消耗については9月の寒暖差でバテる人へで整理しています。


②日が短くなると、甘いものが欲しくなりやすい

このセクションの要点:光を浴びる時間が減ると、気分に関わるセロトニンが落ちやすくなります。落ちたときに手が伸びるのが、糖質です。

ここが、秋の食欲でいちばん見落とされている部分です。

セロトニンは気分の安定に関わる物質で、光を浴びることと関係があると考えられています。日が短くなり、外に出る時間が減ると、その分が細くなります。

そして——気分が下向きのとき、人が手を伸ばしやすいのは甘いものと炭水化物です。食べれば一時的に満たされるからです。

つまり秋の食欲の一部は、おなかがすいているのではなく、気分を戻そうとしている可能性があります。

この場合、必要なのは「我慢」ではありません。光のほうを足すほうが筋が通ります。朝、カーテンを開ける。1駅歩く。昼に外に出る。それだけで変わる場面があります。

季節と気分の関係については梅雨〜秋に気力が落ちる理由とビタミンD・セロトニンで詳しく整理しています。


③夏に減った分を、体が取り戻そうとしている

このセクションの要点:夏に食べられていなかった人ほど、秋に反動が来ます。これは埋め合わせであって、単なる食べ過ぎとは限りません。

猛暑の間、そうめんだけ、冷たいものだけ、食欲がなくて一食抜いた——そういう夏を過ごした体は、材料が薄くなった状態で秋を迎えます。

とくに減りやすいのは、たんぱく質です。冷たい麺類や果物では入りにくいためです。

その状態で気温が下がれば、体は当然、取り戻しにかかります。これは壊れた反応ではなく、埋め合わせです。

問題は、埋め合わせの中身が糖質に偏ると、体重だけが戻って中身が戻らないということが起きる点です。

夏に減ったものを秋に戻す順番については、夏に落ちた体力を秋に戻すにまとめました。


我慢の代わりに、順番を変える

このセクションの要点:食欲は「減らす」より「先に何を入れるか」で変わります。空腹のまま糖質に向かうのを避けるのが要点です。

秋の食欲に対して、当編集部が現実的だと考えているのは次の順番です。

  • 朝にたんぱく質を入れる。 卵、納豆、ヨーグルト、魚、汁ものの具。朝が空だと、その日は一日ずっと追いかける形になります。
  • 朝、光を浴びる。 ②への対処です。カーテンを開けるだけでも違います。
  • 食事の最初を糖質にしない。 汁もの・おかずから始めると、同じ量でも波がゆるやかになりやすくなります。
  • 甘いものを完全に禁止しない。 禁止は反動を生みます。単独で食べない(何かと一緒に)に切り替えるほうが続きます。
  • 秋の味覚を敵にしない。 さんま・きのこ・さつまいも・栗——季節のものは材料としても優秀です。問題は種類ではなく組み合わせです。

⚠️ 食事制限やダイエットとしての効果を保証するものではありません。体重の管理が必要な状態の方は、医師・管理栄養士にご相談ください。


よくある質問

Q. 秋に太るのは避けられないのですか?

避けられないとは考えていません。ただし「食べる量を減らす」だけで対処しようとすると、①〜③のどれにも当たらないため続きにくくなります。先に入れるものを変えるほうが現実的です。

Q. 食欲が止まらないのは病気ですか?

多くは季節の変化の範囲ですが、急に食欲が増えて体重が大きく動く、喉の渇きが強い、尿の量が増えた、気分の落ち込みが続くといった場合は、季節のせいにせず医療機関にご相談ください。甲状腺や血糖に関わることがあります。

Q. 夜に甘いものが欲しくなります。

日中の食事、とくに朝と昼にたんぱく質が入っていたかを振り返ってみてください。日中が薄いほど、夜に来やすくなります。それでも欲しいときは、単独ではなく温かい飲みものや、たんぱく質を含むものと一緒にしてみてください。


🟢 かんたんまとめ

  • 「食欲の秋」は気温・日照・夏の消耗の3つが重なって起きています。
  • 寒くなると、体は熱をつくる材料を欲しがります。
  • 日が短くなると気分が下向きになりやすく、甘いものに手が伸びます
  • 夏に食べられなかった人ほど、秋に取り戻す反応が出ます。
  • だから我慢だけでは、うまくいきにくい
  • 変わるのは朝のたんぱく質朝の光、そして食べる順番
  • 甘いものは禁止するより、単独で食べないに切り替える。
  • 体重が急に動く・喉が渇く・気分の落ち込みが続くときは医療機関へ

本記事は教育目的の情報提供であり、特定の効果を保証するものではありません。ダイエット・減量の効果を示すものではありません。体調の変化が続く場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。持病のある方・薬を服用中の方・妊娠授乳中の方は、サプリメントの利用前に医師・薬剤師にご相談ください。

監修:大黒 充晴(柔道整復師(国家資格) / 杏林予防医学研究所「細胞環境デザイン学」上級講座修了 / JALNIマスター講座修了者 / 臨床歴23年) / 編集:不調を整える編集部

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