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自律神経・疲労

夏に落ちた体力を、秋に戻す順番——いきなり運動から始めない

猛暑で動かなかった夏のあと、秋に体力が落ちていると感じる方へ。落ちたのは「やる気」ではなく、動かなかった期間と食べられなかった内容の積み重ねです。戻す順番は、運動からではありません。材料・睡眠・歩く量の3つを、どの順で足すかを分子栄養学で整理します。

不調を整える編集部(監修:大黒 充晴/柔道整復師・臨床23年)夏の疲れ体力低下たんぱく質運動不足回復分子栄養学

🟢 この記事のやさしい結論(30秒でわかる)

  • 猛暑の夏は、動かなかった期間食べられなかった内容が同時に起きます。
  • だから秋に「体力が落ちた」と感じるのは、気のせいでも、やる気の問題でもありません
  • とくに減りやすいのはたんぱく質です。冷たい麺や果物では入りにくいためです。
  • ここでいきなり運動から始めると、材料がないまま体を削ることになりがちです。
  • 戻す順番は①材料を入れる ②眠りを戻す ③歩く量を戻す ④運動を足す
  • 「秋こそ運動」の号令は、順番を1つ飛ばしていることがあります。
  • ⚠️ 息切れ・動悸・強い倦怠感・体重の急な変化が続くときは、季節のせいにせず医療機関へ。

夏に落ちたのは「やる気」ではありません

このセクションの要点:猛暑の夏は、動く量が減り、食べる内容が偏ります。この2つが同時に起きるのが夏という季節です。

秋の入り口に、こう感じる方が多くいらっしゃいます。

「去年より階段がしんどい」「少し歩いただけで疲れる」「気力が戻らない」

そしてたいてい、自分の意志の弱さとして片づけられます。

けれど体の側から見ると、夏のあいだに起きていたのは次の2つです。

  • 動く量が減った。 暑くて外に出られない。買い物も最短距離。散歩も中断。
  • 食べる内容が偏った。 そうめん、冷たい麺、アイス、果物、飲みもの。食欲がない日は一食抜く。

この2つは、それぞれ単独でも体力を削ります。同時に、数か月続くのが猛暑の夏です。

秋に落ちて感じるのは、当然の結果に近いのです。


とくに減りやすいのは、たんぱく質です

このセクションの要点:夏に選ばれやすい食べものは、糖質と水分が中心です。たんぱく質は意識しないと入りません。

夏に手が伸びるものを並べてみます。

そうめん、冷やし中華、うどん、アイス、シャーベット、果物、炭酸飲料、麦茶。

これらに共通しているのは、冷たくて、のどを通りやすいこと。そして——たんぱく質がほとんど入っていないことです。

たんぱく質は、筋肉だけでなく、血液も、酵素も、神経のはたらきに関わる材料も含む土台です。ここが数か月薄くなれば、体は静かに減っていきます。

さらに、動かない期間が重なると、使われない筋肉は落ちやすくなります。材料が入らないうえに、使われない。二重です。

夏の食事が細くなる問題については夏バテと熱疲労のちがい、猛暑で歩けなかった期間の体についてはお盆明けの不調を秋バテに持ち越さないもあわせてご覧ください。


いきなり運動から始めると、何が起きますか

このセクションの要点:材料が薄い状態で負荷だけを足すと、回復が追いつかず、疲れが抜けない状態になりやすくなります。

秋になると、あちこちで「運動の秋」と言われます。ジムの入会も増える時期です。

けれど、夏に材料が薄くなった体にとって、これは順番が逆になっていることがあります。

運動は、体にとっては壊す作業です。壊してから、材料を使って作り直すことで強くなります。つまり——材料と睡眠がそろっていて初めて成立する行為です。

材料が薄いまま負荷だけを足すと、壊す側だけが進みます。その結果が、

  • 数日たっても疲れが抜けない
  • 始めたのに、かえってだるくなった
  • 続かなくて、また自分を責める

という形です。続かなかったのは意志の問題ではなく、順番の問題であることがあります。


戻す順番は、この4つです

このセクションの要点:材料 → 眠り → 歩く量 → 運動。この順番を守るほうが、結果的に早く戻ります。

①材料を入れる(最初の1〜2週間)

まずはたんぱく質を1食に1つ。卵、納豆、豆腐、魚、肉、乳製品のどれかを、毎食どれか1つ入れるだけで構いません。

暑さが残る時期は、冷たいものだけにならないよう、汁ものが入り口として現実的です。

②眠りを戻す

夏は寝苦しさで眠りが浅くなります。作り直しは眠っている間に進むので、ここが崩れたままだと材料も生きません。

③歩く量を戻す

いきなり運動ではなく、まず日常の移動量からです。1駅歩く、遠いスーパーに行く、階段を使う。この段階を飛ばさないでください。

④運動を足す

①〜③がある程度戻ってからです。ここまで来ていれば、運動は「壊して作り直す」が成立します。


何を足すか迷ったら

このセクションの要点:夏に薄くなりやすいのは、たんぱく質・鉄・ビタミンB群・マグネシウムです。ただし検査が先です。

  • たんぱく質:土台。最優先。
  • :汗からも失われます。疲れやすさ・息切れとして出ることがあります。
  • ビタミンB群:糖質をエネルギーに変えるときに使われます。夏に糖質が増えた分、消費された側です。
  • マグネシウム:汗で出ていきます。

⚠️ 不足が疑われるときは、自己判断でサプリを増やす前に、まず医療機関で血液検査を受けてください。 とくに鉄は、足りている人が余分に摂ってよいものではありません。

サプリの選び方の前提についてはサプリのラベル、どこを見て選ぶ?をご覧ください。


よくある質問

Q. どのくらいで戻りますか?

個人差が大きく、期間をお約束することはできません。ただ、落ちた期間と同じくらいはかかるとお考えいただくほうが、途中でやめずに済むことが多いです。

Q. プロテインを飲めば早く戻りますか?

食事で入っていない場合の補いにはなりますが、それだけで戻るものではありません。眠りと歩く量が戻っていない状態では、材料だけ増やしても使われにくくなります。持病のある方・薬を服用中の方は、医師・薬剤師にご相談ください。

Q. 秋になっても食欲が戻りません。

夏の疲れが長引いている場合もありますが、食欲が戻らない状態が続く、体重が落ち続けるときは、季節のせいにせず医療機関にご相談ください。

Q. 運動をしないと筋肉は戻りませんか?

日常の移動量を戻すだけでも変わる場面はあります。まず③まで戻してから、④を考えれば十分です。


🟢 かんたんまとめ

  • 夏に落ちたのはやる気ではなく、動かなかった期間と食べた内容です。
  • 冷たい麺や果物が中心だと、たんぱく質が入りません
  • その状態でいきなり運動を足すと、壊す側だけが進みます
  • 順番は①材料 ②眠り ③歩く量 ④運動
  • 材料はまずたんぱく質を1食に1つから。汁ものが入り口として現実的です。
  • 鉄・B群・マグネシウムも夏に減りやすい材料です。ただし検査が先
  • 続かなかったのは意志ではなく、順番だったかもしれません
  • 息切れ・動悸・体重の急な変化が続くときは医療機関へ

本記事は教育目的の情報提供であり、特定の効果を保証するものではありません。体調の変化が続く場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。持病のある方・薬を服用中の方・妊娠授乳中の方は、サプリメントの利用前に医師・薬剤師にご相談ください。

監修:大黒 充晴(柔道整復師(国家資格) / 杏林予防医学研究所「細胞環境デザイン学」上級講座修了 / JALNIマスター講座修了者 / 臨床歴23年) / 編集:不調を整える編集部

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