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海外サプリの個人輸入はどこまでOK?知っておく線引き
海外通販のサプリメントは、自分が使う分なら個人輸入として取り寄せられます。ただし数量の目安があり、海外では食品でも日本では医薬品に当たる成分があり、健康被害が出たときの救済制度の外に置かれます。厚生労働省の基準に沿って、線引きと確認のしかたを煽らず整理します。
🟢 この記事のやさしい結論(30秒でわかる)
- 海外のサプリを自分で使うために取り寄せること自体は、認められています。禁止されているわけではありません。
- ただし数量の目安があります。医薬品に当たるものは、原則用法用量からみて2か月分以内(処方箋薬・劇薬は1か月分以内)。
- 他の人に売る・譲る・家族の分をまとめて輸入するのは認められていません。ここは明確な線です。
- 海外では食品でも、日本では医薬品に当たる成分があります(メラトニンなど)。同じ「サプリ」の棚にあっても、扱いが違います。
- いちばん重いのは、健康被害が出たときの救済制度の対象外になること。国内で承認された医薬品が対象の制度だからです。
- 「個人輸入代行」は、買うのはあなた自身という建て付けです。責任も自分側に来ます。
- ⚠️ 持病がある方・薬を飲んでいる方は、海外品を始める前に医師・薬剤師にご相談ください。
- 制度の内容は2026年7月時点のものです。
個人輸入は「違法」ではない——ただし自分が使う分だけ
このセクションの要点:自分自身が使う目的なら、許可がなくても輸入できます。線が引かれているのは「量」と「誰のために」の2点です。
まず、いちばん誤解の多いところをはっきりさせておきます。
海外のビタミンやミネラルのサプリメントを、自分で飲むために取り寄せること自体は、認められています。これを個人輸入といいます。製造販売業などの許可は要りません。
ただし、無制限ではありません。厚生労働省は、許可なしで輸入できる数量の目安を示しています。
| 区分 | 数量の目安 |
|---|---|
| 医薬品・医薬部外品(一般) | 用法用量からみて2か月分以内 |
| 毒薬・劇薬・処方箋薬 | 用法用量からみて1か月分以内 |
| 外用剤(処方箋薬を除く) | 標準サイズで1品目24個以内 |
| 化粧品 | 標準サイズで1品目24個以内 |
| 医療機器(家庭用) | 1セット |
| 使い捨ての医療機器・体外診断薬 | 2か月分以内 |
(2026年7月時点・厚生労働省「医薬品等の個人輸入について」)
そしてもう一つ、量とは別に、はっきりした線があります。
輸入したものを、他の人に売ったり譲ったりすることは認められていません。他の人の分をまとめて輸入することも認められていません。
「家族の分もついでに」「友人に頼まれて」——ここが線を越えるところです。安く済ませようとまとめ買いをする場面で起きやすいので、覚えておく価値があります。
海外では「サプリ」でも、日本では医薬品に当たるものがある
このセクションの要点:日本には食薬区分という考え方があり、専ら医薬品として使われる成分は食品に使えません。海外の棚の分類とは一致しません。
ここがこの記事の一点です。
海外の通販サイトで、ビタミンやミネラルと同じ「サプリメント」の棚に並んでいる商品でも、日本では医薬品に該当する成分を含んでいることがあります。
日本には食薬区分という考え方があり、厚生労働省が「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」を定めています。このリストに載っている成分を含む製品は、日本では医薬品として扱われます。食品として販売することはできません。
代表例がメラトニンです。
- 海外:サプリメントとして一般に販売されている国がある
- 日本:医薬品に区分され、食品としての販売は認められていない
実際に、メラトニンが検出された輸入食品について自治体が販売中止・自主回収を指示した事例が公表されています(東京都・2021年、輸入グミ製品)。
つまり——海外の棚での分類は、日本の分類と一致しません。
厚生労働省も、外国では食品として販売されているものであっても、医薬品成分が含まれていたり医薬品的な効能効果がうたわれていたりするものは、日本では医薬品に該当する場合がある、という趣旨を示しています。
医薬品に該当するということは、先ほどの数量の目安(2か月分以内)がかかるということでもあります。「サプリだから自由」ではなくなります。
なお、通常のビタミン・ミネラル・アミノ酸・プロテインなどを自分用に常識的な量取り寄せる——という一般的な使い方は、この枠内でふつうに行われているものです。問題になりやすいのは、成分と量と譲渡の3か所だと整理しておくと、過度に怖がらずに済みます。
睡眠系の成分でいえば、日本国内で入手できるものと海外品で扱いが違うところがあります。何にどこまで根拠があるかは睡眠サプリのエビデンス整理にまとめています。
数量を超えるとき、必要になるもの
このセクションの要点:目安の範囲を超える場合は、輸入確認証の取得が必要になります。数量に関係なく輸入できないものもあります。
上の目安を超える量を輸入する場合、輸入確認証の取得が必要になります。手続きの窓口は地方厚生局です。
そして、量の話とは別に、こうした定めもあります。
医師の処方箋または指示によらない自己使用によって重大な健康被害が起きるおそれがある医薬品は、数量に関係なく、医師からの処方箋等が確認できない限り輸入できません。
「少しだけなら」が通らない領域がある、ということです。
サプリメントを買っているつもりでも、成分が医薬品に当たれば、この枠組みの中に入ります。自分が何を買っているのかを、商品名ではなく成分で確認する必要があるのはこのためです。
いちばん重い線引き——救済制度の外に置かれる
このセクションの要点:医薬品副作用被害救済制度の対象は「製造販売の承認・許可を受けた医薬品」です。個人輸入品はそこに含まれません。
法律の話より、実務として重いのがここです。
日本には、医薬品副作用被害救済制度があります。医薬品を適正に使ったのに副作用による健康被害が生じたとき、医療費や年金などの給付を受けられる公的な仕組みです。
この制度の対象になる「医薬品」は、製造販売の承認・許可を受けた医薬品とされています。病院・診療所で処方された医療用医薬品、薬局・ドラッグストアで購入した要指導医薬品・一般用医薬品が該当します。
個人輸入した製品は、日本で承認・許可を受けたものではありません。 したがって、この救済の枠組みには入りません。
これは「危険だから買うな」という話ではなく、リスクを引き受ける人が誰かという話です。国内で買えば制度が背中にありますが、個人輸入では自分の判断がそのまま結果につながります。
加えて、個人輸入品には次のような性質があります。
- 日本の表示ルールの外にある(原材料表示・アレルギー表示の様式が違う)
- 国内での品質確認を経ていない
- 中身が表示と違っていた場合に、気づく手立てが少ない
だからこそ、次の確認が意味を持ちます。
それでも海外品を使うなら——確認したい5つ
このセクションの要点:成分名・含有量・第三者検査・持病と薬との関係・数量。この5つを見るだけで、事故の可能性はかなり下げられます。
否定するための記事ではないので、実務的な確認事項を書いておきます。
- 成分名を英語のまま確認する——商品名ではなく、Supplement Facts に並ぶ成分名を見ます。日本語のレビューだけで判断しない
- 1日摂取目安量あたりの含有量を確認する——海外品は国内品より1粒あたりの量が多いことがよくあります。同じ「1粒」でも中身が違います
- 第三者検査の記載を確認する——GMP準拠、第三者機関の分析証明などの記載があるか
- 飲んでいる薬・持病との関係を確認する——ここは自己判断せず、医師・薬剤師に成分名を見せて相談するのが確実です
- 数量を守る——自分の分だけ、目安の範囲内で。人に渡さない
そして、順番の話をひとつ。
海外品を検討する前に、そもそもそのサプリが自分に必要かどうかを一度確認する価値があります。必要のないものは、国内品でも海外品でも同じく必要ありません。判断の入口はマルチビタミンは必要か・選び方、ラベルそのものの読み方はサプリのラベル、どこを見て選ぶ?にまとめています。
「個人輸入代行」という言葉について
このセクションの要点:代行を使っても、輸入するのは購入者本人という建て付けです。責任の所在は変わりません。
「個人輸入代行」というサービスがあります。
言葉の形は「代行」ですが、制度上の建て付けはあくまで購入者本人が輸入しているというものです。手続きを手伝ってもらっているだけで、輸入する主体は自分です。
つまり——
- 数量の目安は、自分に対してかかる
- 成分が医薬品に当たるかどうかの結果も、自分に返ってくる
- 健康被害が出たときの救済の枠外にあることも、変わらない
「業者が扱っているから大丈夫」とは言えない構造になっている、ということです。これは業者を疑えという話ではなく、責任がどこにあるかを正しく知っておくという話です。
よくある質問
Q. 海外通販でビタミンCを買うのは違法ですか?
いいえ。自分で使う目的で、数量の目安の範囲内であれば、個人輸入として認められています。
Q. 家族の分もまとめて買うのはどうですか?
認められていません。他の人の分をまとめて輸入することは、個人輸入の範囲外です。
Q. 海外でサプリとして売られていれば、日本でもサプリ扱いですか?
いいえ。日本には食薬区分があり、専ら医薬品として使用される成分を含むものは、日本では医薬品として扱われます。メラトニンがその例です。
Q. 個人輸入したサプリで体調を崩したら、どうすればいいですか?
まず摂取をやめて、商品そのもの(またはラベルの写真)を持って医療機関を受診してください。何を飲んだかが分かることが、対応の出発点になります。医薬品副作用被害救済制度の対象にはなりません。
🟢 かんたんまとめ
- 海外のサプリを自分で飲むために買うのは、してもいいことです。
- ただし量に目安があります(医薬品にあたるものは、だいたい2か月分まで)。
- 人にあげる・売る・家族の分もまとめて買うのは、してはいけません。
- 海外で「サプリ」でも、日本ではお薬あつかいになる成分があります(メラトニンなど)。
- もし体調を崩しても、国の救済の仕組みは使えません。ここがいちばん大事な違いです。
- 買う前に、成分の名前・1日分の量・持病や飲んでいる薬との関係を確かめてください。
- 「代行」を使っても、買っているのは自分という扱いです。
- 迷ったら、成分名を医師・薬剤師に見せて相談するのがいちばん早いです。
本記事は教育目的の情報提供であり、個人輸入を推奨・否定するものではありません。制度の内容は2026年7月時点のもので、今後改正される可能性があります。最新情報は厚生労働省の公表資料をご確認ください。持病のある方・薬を服用中の方・妊娠授乳中の方は、サプリメントの利用前に必ず医師・薬剤師にご相談ください。
参考(一次情報)
- 厚生労働省「医薬品等の個人輸入について」(数量の目安・輸入確認証・譲渡の禁止)
- 厚生労働省「食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いの例示」(専ら医薬品として使用される成分本質リスト)
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「医薬品副作用被害救済制度の給付対象」
- 東京都「医薬品成分(メラトニン)を含む製品に関する注意喚起」(2021年)
監修:大黒 充晴(柔道整復師(国家資格) / 杏林予防医学研究所「細胞環境デザイン学」上級講座修了 / JALNIマスター講座修了者 / 臨床歴23年) / 編集:不調を整える編集部