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ホルモン・生殖

骨折したら、何を食べればいい?——回復期を支える栄養の組み立て

骨折してギプス生活。「早くくっつくように、何か食べた方がいいですか?」——よく聞かれる質問です。骨の修復はカルシウムだけでは進みません。土台のたんぱく質、ビタミンC・D・K、マグネシウム・亜鉛と、ギプス期間中に落ちる筋肉への備えまで。回復期の栄養を、治療の妨げにならない形で整理します。

不調を整える編集部(監修:大黒 充晴/柔道整復師・臨床23年)骨折回復期たんぱく質カルシウム分子栄養学

🟢 この記事のやさしい結論(30秒でわかる)

  • 骨折の治療(固定・手術・リハビリ)は医師の領域です。栄養は、その回復を後ろから支える土台です。
  • 骨の修復はカルシウムだけでは進みません。骨の約半分はたんぱく質(コラーゲン)の枠組みです。
  • 意識したいのは=たんぱく質+ビタミンC(枠組み)/ビタミンD+カルシウム(材料)/ビタミンK・マグネシウム・亜鉛(組み立て役)
  • 回復期は、体がいつもよりエネルギーを使います。「食欲がないから軽く」が続くと、修復の材料が足りません。
  • ⚠️ギプスの間に筋肉が落ちます。たんぱく質と、医師の許可の範囲で「動かせる場所を動かす」ことが備えです。
  • 50代以降の骨折は、次の骨折を防ぐ入り口でもあります。骨密度の検査・治療の相談を。

まず、順番の確認から

このセクションの要点:治療は医師、栄養は土台。栄養で治療の代わりはできません。

骨折の治療——整復、固定、手術、リハビリ——は、すべて医師の領域です。栄養で骨折が早く治るとお約束することはできませんし、栄養は治療の代わりになりません。

そのうえで。骨の修復は、体が材料を使って行う工事です。材料が足りない状態と、足りている状態で、工事の条件が同じはずはありません。 この記事は、その「材料の揃え方」の話です。

骨は「カルシウムの塊」ではありません

このセクションの要点:骨の枠組みはたんぱく質。カルシウムはそこに付く材料です。

「骨折したから、カルシウムを摂らなきゃ」——ここで多くの方が、牛乳や小魚だけを思い浮かべます。

でも、骨の構造はこうなっています。骨の重さの約半分は、コラーゲン——つまりたんぱく質の枠組みです。鉄筋コンクリートにたとえるなら、コラーゲンが鉄筋、カルシウムがコンクリート。鉄筋がないところに、コンクリートは付きません。

だから、回復期にまず確保したいのはたんぱく質です。卵・魚・肉・豆腐・納豆を、毎食どれか。そして、コラーゲンの合成にはビタミンCが必須の相棒です(コラーゲンとビタミンCの記事)。

材料と組み立て役——覚え方は3セット

このセクションの要点:枠組み・材料・組み立て役。この3セットで考えると抜けが見えます。

役割栄養主な食べもの
枠組みたんぱく質+ビタミンC卵・魚・肉・大豆製品/野菜・果物・いも
材料カルシウム+ビタミンD小魚・大豆製品・緑の葉物/魚・きのこ・日光
組み立て役ビタミンK・マグネシウム・亜鉛納豆・葉物/海藻・ナッツ・大豆/魚介・肉
  • ビタミンDは、カルシウムの吸収に関わります。魚ときのこ、そして日光です。ギプス生活で外に出る時間が減ると、ここが細りがちです(骨とビタミンD・マグネシウムの記事)。
  • ビタミンKは骨へのカルシウムの沈着に関わります。納豆が代表です。⚠️ワルファリン(血液を固まりにくくするお薬)を飲んでいる方は、納豆・ビタミンKサプリの前に必ず主治医に確認してください薬とサプリの記事)。
  • マグネシウムは骨の構成成分でもあり、カルシウムの相棒です(カルシウムとマグネシウムの記事)。

回復期は「工事中」——エネルギーも要ります

このセクションの要点:修復にはエネルギーが要る。食欲がないからと軽くし続けると、材料ごと不足します。

骨折後の体は、修復という工事を続けています。工事中は、いつもよりエネルギーを使います。

ところが実際は、痛みと不自由さで食欲が落ち、「食べやすいもの=麺やパンだけ」になりがちです。これだと、エネルギーもたんぱく質も両方細ります。

食欲がないときの現実的な形は、食欲がない朝のたんぱく質の記事と同じです。飲むだけ・開けるだけの形(豆乳・ヨーグルト・豆腐・さば缶・卵)で、ハードルを下げて入れてください。

ギプスの間に、筋肉が落ちます

このセクションの要点:固定中の筋肉の減少は速い。たんぱく質と「動かせる場所を動かす」が備えです。

固定されている間、使われない筋肉は落ちていきます。落とすのは速く、戻すのは遅い——これが筋肉の性質です。

備えは2つです。

  1. たんぱく質を切らさない(上のとおり)
  2. 医師・リハビリの指示の範囲で、動かせる場所を動かす——固定されていない側の手足、体幹。「ケガした側を休ませる」と「全身を休ませる」は別の話です。⚠️何をどこまで動かしてよいかは、必ず主治医・リハビリ担当に確認してください。

高齢のご家族の骨折なら、回復期の食事の支え方は食が細くなった親の記事もあわせてご覧ください。

50代以降の骨折は、「次」を防ぐ入り口です

このセクションの要点:骨折をきっかけに、骨密度の検査と治療を主治医に相談してください。

50代以降、とくに閉経後の女性の骨折は、骨がもろくなり始めているサインであることがあります。

今回の骨折の治療と並行して、骨密度の検査と、必要なら骨粗しょう症の治療について、主治医に相談してみてください。骨粗しょう症の治療薬は年々進歩しており、お薬による治療と、栄養の土台づくりは両立します。どちらかを選ぶ話ではありません。

よくある質問

Q. 喫煙とお酒は、影響しますか?

喫煙は骨の回復に良くない影響があることが広く知られています。回復期だけでも減らす・やめる価値があります。お酒も、多量の飲酒は回復の妨げになります。詳しくは主治医にご相談ください。

Q. カルシウムのサプリを飲んだほうがいいですか?

まず食事とビタミンDが先です。カルシウム単独のサプリを自己判断で大量に摂ることはおすすめしません(カルシウムの摂り方の記事)。持病やお薬のある方は、医師・薬剤師に確認してください。

Q. どのくらいで治りますか?

部位・年齢・状態によってまったく違います。期間の見通しは主治医に聞いてください。この記事がお約束できるのは「材料を揃えて工事を支える」ところまでです。


🟢 かんたんまとめ

  • 治療は医師の領域。栄養は回復を後ろから支える土台です。
  • 骨の約半分はたんぱく質(コラーゲン)の枠組み。カルシウムだけでは工事は進みません。
  • 3セットで覚える=枠組み(たんぱく質+C)/材料(カルシウム+D)/組み立て役(K・マグネシウム・亜鉛)
  • ⚠️ワルファリン服用中の方は、納豆・ビタミンKの前に主治医へ
  • 回復期はエネルギーも必要。食欲がない日は、飲むだけ・開けるだけの形で。
  • ギプス中は筋肉が落ちる。たんぱく質+医師の許可の範囲で動かせる場所を動かす。
  • 50代以降の骨折は、骨密度の検査・治療を相談する入り口に。

本記事は教育目的の情報提供であり、骨折の治療に代わるものではありません。治療・リハビリ・運動の可否は必ず主治医の指示に従ってください。持病のある方・薬を服用中の方は、食事内容の大きな変更やサプリメントの利用前に医師・薬剤師にご相談ください。

監修:大黒 充晴(柔道整復師(国家資格) / 杏林予防医学研究所「細胞環境デザイン学」上級講座修了 / JALNIマスター講座修了者 / 臨床歴23年) / 編集:不調を整える編集部

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