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ホルモン・生殖

産後3ヶ月、抜け毛が止まらないのはなぜ?——フェリチン・DHA・亜鉛から考える栄養サポート

産後3〜6ヶ月に多発する抜け毛は「ホルモンの一時的な変動」だけでなく、授乳による栄養消耗が深く関わっています。フェリチン(貯蔵鉄)・DHA・亜鉛を中心に、食事とサプリで取り組む産後の髪ケアを分子栄養学の視点で解説します。

NJM編集部(監修:大黒 充晴/柔道整復師・臨床23年)産後抜け毛フェリチン鉄欠乏授乳DHA亜鉛ホルモン変動産後ケア
産後3ヶ月、抜け毛が止まらないのはなぜ?——フェリチン・DHA・亜鉛から考える栄養サポート

産後の抜け毛——「ホルモンのせい」で片付けていませんか?

赤ちゃんが生まれて3ヶ月ほど経った頃から、シャンプーのたびに抜け毛が増え、排水口が詰まるほどになった——。産後を経験した方の多くが経験するこの変化には、よく知られている理由と、あまり知られていない理由があります。

「産後の抜け毛はホルモン変動のせいだから仕方ない」というのは半分正しく、半分は見落としがあります。ホルモン変動は確かに抜け毛を引き起こしますが、それに加えて授乳による栄養消耗が重なることで、抜け毛が長引いたり、髪の細さ・コシの低下として残るケースがあります。


産後に抜け毛が増えるメカニズム

① エストロゲン急落による休止期脱毛

妊娠中はエストロゲン(女性ホルモン)が高い状態が続くため、髪の「成長期」が延長されます。つまり妊娠中は本来抜けるべき毛が体内に蓄積された状態です。

出産後にエストロゲンが急激に低下すると、蓄積されていた毛が一斉に休止期に移行し、産後3〜6ヶ月頃に一気に抜け落ちます。これを**休止期脱毛(テロゲン脱毛)**と呼びます。

② 授乳による栄養消耗

授乳は1日あたり約500〜700kcalを消費します。エネルギーだけでなく、以下の栄養素が母乳を通じて赤ちゃんに供給されるため、母体が補充できない場合に不足が深刻化します。

栄養素授乳中に消費が増える理由髪への影響
鉄(フェリチン)母乳分泌+産後出血による減少毛根への酸素供給低下
亜鉛赤ちゃんへ優先供給ケラチン合成低下・髪が細くなる
DHA赤ちゃんの脳発達のため母乳に濃縮頭皮の炎症コントロール低下
タンパク質母乳産生の材料として大量消費ケラチン原料不足・髪質低下

③ フェリチン(貯蔵鉄)の枯渇

血液検査でヘモグロビン値が正常でも、フェリチン(貯蔵鉄)が低いと抜け毛が起きやすいことが知られています。フェリチンは「鉄の倉庫」で、体が鉄不足になったとき真っ先に優先順位を下げるのが「髪への供給」です。

産後は出産時の出血・母乳分泌の両方でフェリチンが急速に低下しやすい時期です。フェリチン値が30ng/mL以下になると脱毛が起きやすいとする報告もあります(Rushton et al., 2002, Journal of Cosmetic Dermatology)。


髪の後ろ姿・産後の抜け毛イメージ


産後の抜け毛に関わる主な栄養素

フェリチン(鉄)

毛根細胞の分裂と、ヘモグロビンによる毛根への酸素供給に必要です。

食事で補うポイント:

  • ヘム鉄(吸収率15〜30%):赤身肉・レバー・かつお・マグロ・あさり
  • 非ヘム鉄(吸収率3〜8%):ほうれん草・小松菜・大豆・ひじき
  • ビタミンCと同時摂取で非ヘム鉄の吸収が2〜3倍に上昇

亜鉛

毛母細胞(毛根の幹細胞)の分裂とケラチン(髪のタンパク質)合成に不可欠です。

食事で補うポイント:

  • 牡蠣・牛肉(赤身)・豚肩ロース・カシューナッツ・ごま・納豆
  • 授乳中の亜鉛推奨摂取量は通常より+2mg増(日本人の食事摂取基準2020年版)

DHA(オメガ3脂肪酸)

頭皮の皮脂腺と毛包周囲の炎症環境を整える働きがあります。授乳中はDHAが母乳に優先的に移行するため、魚を十分に食べないと母体で不足しやすくなります。

食事で補うポイント:

  • サバ・イワシ・サンマなど青魚を週3〜4回
  • 加熱による酸化を防ぐため、刺身・蒸し・低温調理を活用

タンパク質

髪の大部分はケラチンというタンパク質で構成されています。授乳中はタンパク質の必要量が+15〜20g増加します(日本人の食事摂取基準2020年版)。体重1kgあたり1.2〜1.5g/日を目安に、鶏むね肉・卵・大豆製品・魚を毎食1品以上意識しましょう。


産後に取り入れやすい食材マップ

優先する食材カテゴリ具体的な食材目的
ヘム鉄源サバ・アジ・マグロ・赤身肉・あさりフェリチン補充
非ヘム鉄+ビタミンCほうれん草の胡麻和え(レモン少量)吸収率UP
亜鉛源牡蠣・納豆・ごま・豆腐ケラチン合成サポート
DHA源刺身・焼き魚(青魚中心)頭皮環境サポート
タンパク質卵・鶏むね・豆腐・WPIプロテイン毛母細胞の材料補充

簡単レシピ:産後に作りやすい「鉄・亜鉛・DHA補給丼」

材料(1人分・調理時間5分)

  • サーモン刺身 80g(DHA・良質タンパク)
  • 納豆 1パック(亜鉛・タンパク)
  • 小松菜 1〜2株(みじん切り)(非ヘム鉄)
  • レモン汁 小さじ1(ビタミンC:鉄吸収UP)
  • しょうゆ 少量
  • 白米 150g

作り方

  1. 白米に納豆をのせ、サーモンを並べる
  2. 小松菜のみじん切りを散らす
  3. レモン汁としょうゆを少量かけて完成

栄養ポイント: サーモン(DHA約1,000mg)+納豆(亜鉛0.6mg)+小松菜(非ヘム鉄1.5mg)+レモン(ビタミンC)で、吸収効率の高い産後ケア食になります。


サプリメントで補う

食事からの摂取が難しい日が続くとき、以下を参考にしてください。

亜鉛——ケラチン合成・毛母細胞のサポートに

Biochemical Solution

ニューサイエンス

亜鉛(高吸収型)

作用機序:免疫酵素補因子IgE産生抑制DNA修復精子形成腸粘膜バリア修復

山田豊文先生監修。高吸収型の亜鉛。300種以上の酵素補因子として免疫・DNA修復・精子形成に必須。IgE産生を下方制御し花粉症などのアレルギー反応を緩和。

※ 本リンクはアフィリエイトリンクです。推奨は生化学的エビデンスに基づく個人的見解であり、特定疾患の診断・治療を目的とするものではありません。

WPIタンパク——授乳中のケラチン原料補充に

乳糖不耐症でも比較的利用しやすいWPI(ホエイプロテインアイソレート)タイプのプロテインです。授乳中のタンパク質補充として活用できます。

Biochemical Solution

REYS

WPIホエイプロテイン

作用機序:WPI必須アミノ酸神経修復腸への負担最小化生殖細胞材料

WPI(ホエイプロテインアイソレート)。乳糖不使用・高純度タンパク質。筋修復・神経髄鞘再生のアミノ酸供給源。卵子・精子の細胞膜材料(アミノ酸)補給にも。

※ 本リンクはアフィリエイトリンクです。推奨は生化学的エビデンスに基づく個人的見解であり、特定疾患の診断・治療を目的とするものではありません。

オメガ3(DHA・EPA)——頭皮の炎症環境を整えるサポートに

Biochemical Solution

California Gold Nutrition(iHerb)

Omega 800 超高濃度オメガ3フィッシュオイル

作用機序:EPADHAPGE3産生細胞膜リン脂質組成改善COX-2抑制

kd-pur®トリグリセリド型オメガ3。EPA480mg・DHA320mgを1粒に高濃縮。細胞膜リモデリング・抗炎症メディエーター(PGE3・LTB5)産生を通じて慢性炎症を抑制。

※ 本リンクはアフィリエイトリンクです。推奨は生化学的エビデンスに基づく個人的見解であり、特定疾患の診断・治療を目的とするものではありません。


まとめ

原因関連栄養素優先対策
休止期脱毛(ホルモン変動)2〜3ヶ月で自然回復が多い
フェリチン低下赤身魚・赤身肉+ビタミンC
毛母細胞の栄養不足亜鉛・タンパク質納豆・豆腐・卵を毎食意識
頭皮の炎症環境DHA(オメガ3)青魚を週3〜4回
授乳中の総合消耗複合的食事量確保+サプリ補完

産後の抜け毛は「ホルモン変動」と「授乳による栄養消耗」のダブルの影響を受けます。回復には通常3〜6ヶ月かかりますが、フェリチン・亜鉛・DHAを意識した食事を続けることで、髪の回復をサポートできる可能性があります。産後のお体の変化を、焦らず栄養から整えていきましょう。


本記事は教育目的の情報提供です。授乳中のサプリメント使用については、産婦人科・助産師にご相談のうえでご判断ください。

監修:大黒 充晴(柔道整復師(国家資格) / 杏林アカデミー(杏林予防医学研究所)上級講座修了 / JALNIマスター講座修了者 / 臨床歴23年)/ 編集:NJM編集部

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