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不育症・反復流産|栄養の前に確認したい3つのこと
不育症・反復流産では、産婦人科での評価と妊娠前の栄養管理を分けて考えます。原因不明という結果の受け止め方、葉酸の目的、次の診察で確認したいことを整理します。
🟢 この記事のやさしい結論(30秒でわかる)
- 流産を繰り返したときは、産婦人科・不育症専門外来で相談してください。
- 「原因不明」は、栄養不足が原因と判明したという意味ではありません。
- 葉酸による神経管閉鎖障害のリスク低減と、流産を防ぐことは別の評価項目です。
- この記事では、検査の説明・栄養管理の目的・次の妊娠時の相談先を整理します。
流産後に「検査では原因が分かりませんでした」と聞くと、次に何をすればよいか迷うことがあります。 原因を食事やサプリメントだけに求めず、検査で分かったことと今後の対応を主治医と整理しましょう。
1. 「原因不明」は栄養不足という意味ですか?
原因不明という検査結果から、栄養不足や慢性炎症を原因と決めることはできません。
不育症は、一般に2回以上の流産・死産の既往がある場合に用いられる言葉です。 反復流産は自然流産を2回繰り返した場合を指し、不育症とは対象の範囲が異なります。日本産婦人科医会の説明、日本産科婦人科学会の説明
不育症の評価では、子宮の形態、抗リン脂質抗体症候群、甲状腺などのホルモン、染色体に関する要因などを検討します。 検査をしても原因が特定されない場合があり、必要な検査や治療は既往・検査結果によって異なります。日本産科婦人科学会の説明
「自分の食事が悪かったから」と、一人で結論を引き受ける必要はありません。 結果の説明が分かりにくかった場合は、どこまで分かっていて、何がまだ分からないのかを聞き直して構いません。
2. 葉酸とビタミンDは、何のために考えるのですか?
妊娠前の栄養管理と、不育症そのものへの治療は、目的を分けて考えます。
葉酸については、妊娠を計画している女性、妊娠の可能性がある女性、妊娠初期の妊婦を対象に、胎児の神経管閉鎖障害のリスク低減が案内されています。 これは、妊娠率や妊娠継続率を上げるという説明とは異なります。厚生労働省:葉酸とサプリメント
ESHREの不育症ガイドライン(2022年更新版、2023年公表)でも、妊娠前の葉酸の目的と、原因不明の不育症における流産予防を区別しています。 ビタミンDも妊娠前の健康管理の一環として補充を検討する記載がありますが、免疫に関する検査値の変化を、そのまま次の出産の見込みに置き換えることはできません。ESHREガイドライン:14.6節・17.5節
| 相談したいこと | 確認する目的 |
|---|---|
| 葉酸を含む製品をすでに使っている | 妊娠前・妊娠初期の目的に合っているか、成分の重複がないか |
| 鉄やビタミンDを勧められた | 自分の場合、どの所見に対して使い、いつ見直すのか |
| 複数のサプリメントを検討している | 処方薬やほかの製品と合わせて使えるか |
| 食事が取りづらい・体重が変化している | 無理なく食べられる方法や栄養相談の必要性 |
この表は診察で使う質問の整理です。 鉄・亜鉛・オメガ3などの組み合わせや、一定期間の摂取を妊娠継続のための一律の方法として示すものではありません。
3. 次の診察には何を持っていけばよいですか?
過去の経過と、今使っている薬・サプリメントを一緒に伝えると、相談内容を整理できます。
以下は、診察に向けたメモの例です。書ける範囲で構いません。
- 過去の妊娠・流産の時期と、受けた検査や治療
- 検査結果の用紙と、まだ説明を聞きたい項目
- 使用中の薬・サプリメントの商品名と成分表示
- 次に妊娠したときの受診時期と連絡先
- 不安や悲しみ、睡眠や日常生活で困っていること
不育症の診療では、身体の評価に加えて心理面への支援も大切にされています。 つらさについても、専門外来で相談できます。ESHREガイドライン
かんたんまとめ
次の準備は、検査の説明を確認すること、栄養管理の目的を確かめること、妊娠後の相談先を決めることです。 食事やサプリメントへの取り組みを、妊娠の結果に対する自己責任と結び付けないでください。
妊娠を目指す時期の研究は女性の妊活と栄養研究、鉄の検査の考え方はフェリチンと疲労にまとめています。
参考資料
- 日本産婦人科医会.不育症について教えて下さい.
- 日本産科婦人科学会.流産・切迫流産.
- ESHRE Guideline Group on RPL.Recurrent Pregnancy Loss, Update 2022.ガイドラインと患者さん向け資料.更新論文:Human Reproduction Open, 2023.doi:10.1093/hropen/hoad002.
- 厚生労働省.葉酸とサプリメント:神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果.
本記事は教育目的の情報提供です。個別の検査・治療・栄養補充については、産婦人科・不育症専門外来でご相談ください。
監修:大黒 充晴(柔道整復師(国家資格) / 杏林予防医学研究所「細胞環境デザイン学」上級講座修了 / JALNIマスター講座修了者 / 臨床歴23年) / 編集:不調を整える編集部