※本記事はプロモーション(広告)を含みます
非常食、カロリーは足りても栄養が足りない——防災の日の前に見直すローリングストック
9月1日は防災の日。非常食の備えはカロリー中心になりやすく、たんぱく質・ビタミン・ミネラルが抜けがちです。数日間の避難生活で不足しやすい栄養、普段の食品を回しながら備えるローリングストックの組み方、水の目安まで——「備蓄の量」ではなく「備蓄の中身」を分子栄養学の視点で見直します。
🟢 この記事のやさしい結論(30秒でわかる)
- 非常食の備えは、カロリー(主食)中心になりやすい構造があります。
- 抜けやすいのはたんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物繊維です。
- おすすめはローリングストック=普段食べる食品を少し多めに買い、食べた分を買い足す方式。
- 具体的には、**主食+「たんぱく質の缶詰」+「野菜の代わり」**の3点セットで考えます。
- 水は飲料用と調理用をあわせて1人1日3リットル×最低3日分が目安とされています。
- 9月1日は防災の日。賞味期限の点検日として使うのが現実的です。
非常食は、なぜ「カロリーだけ」になりやすいのですか
このセクションの要点:長期保存できる食品は糖質中心が多く、意識せず選ぶと主食ばかりになります。
非常食の定番を思い浮かべてください。アルファ米、乾パン、カップ麺、レトルトのごはん、ビスケット。
共通点は、長期保存できて、糖質が中心であることです。エネルギーの確保という点では正しい選択です。数日間を生き延びるために、まずカロリーが要ります。
ただ、備えがそこで止まると、数日目から別の問題が出てきます。体を維持する材料——たんぱく質、ビタミン、ミネラル——が入ってこないのです。
避難生活で不足しやすい栄養は決まっています
このセクションの要点:たんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物繊維。過去の災害でも指摘されてきた不足です。
- たんぱく質:おにぎり・パン・麺の生活では、ほとんど入りません。体力の維持、傷の回復、免疫のはたらきに関わる土台です。
- ビタミンB群:糖質をエネルギーに変えるときに使われます。主食中心の食事ほど、消費される側に回ります。
- ビタミンC・食物繊維:野菜と果物が最初に消えるためです。便秘は避難生活の定番の悩みでもあります。
- マグネシウム・カリウムなどのミネラル:汗をかく季節の避難では、さらに抜けやすくなります。
つまり、非常時の食事は**「夏バテの食事」と同じ構造**です。糖質はあるのに、材料がない。夏に体力が落ちるしくみは夏に落ちた体力を、秋に戻す順番で書きましたが、避難生活はそれが濃縮されて起こります。
ローリングストック——「特別な備蓄」をやめる考え方
このセクションの要点:普段食べるものを少し多めに持ち、食べたら買い足す。期限切れと「いざ開けたら口に合わない」を同時に防げます。
5年保存の非常食を押し入れにしまい込む方式には、弱点があります。期限を忘れること、そして非常時に初めて食べることです。
ローリングストックは逆の発想です。
- 普段から食べている保存のきく食品を、少し多めに買っておく
- 古いものから普段の食事で食べる
- 食べた分を買い足す
これなら期限切れが起こりにくく、非常時にも食べ慣れた味が並びます。ストレスの大きい状況で、食べ慣れた味かどうかは、想像以上に食欲を左右します。
「主食+たんぱく質+野菜の代わり」の3点で組む
このセクションの要点:備蓄リストを栄養の箱で考えると、抜けが見えます。
| 箱 | 例 | ねらい |
|---|---|---|
| 主食 | レトルトごはん・アルファ米・麺 | エネルギー。ここは多くの家庭で既に足りています |
| たんぱく質 | さば缶・ツナ缶・焼き鳥缶・大豆の水煮・高野豆腐・魚肉ソーセージ | いちばん抜けやすい箱。缶詰は調理不要で優秀です |
| 野菜の代わり | トマトジュース・野菜ジュース・乾燥わかめ・切り干し大根・ドライフルーツ | ビタミン・ミネラル・食物繊維の箱 |
このほか、経口補水液や塩あめ(汗をかく季節の水分・塩分)、ようかんやチョコ(すぐ食べられる糖質・気持ちの支え)もあると現実的です。経口補水液とスポーツドリンクの違いは経口補水液とスポーツドリンクの使い分けで整理しています。
⚠️アレルギーのあるご家族がいる場合は、備蓄こそ表示の確認を。非常時は選べません。アレルギー表示の読み方にまとめています。
水の目安
このセクションの要点:飲料用と調理用で1人1日3リットル。最低3日分、できれば1週間分といわれます。
農林水産省の家庭備蓄の資料では、飲料用と調理用だけで1人1日3リットルが必要とされ、最低3日分(過去の災害では復旧に1週間以上かかる例が多いことから、できれば1週間分)が目安とされています。4人家族で3日分なら36リットル——2リットルのペットボトルで18本です。
⚠️この3リットルは飲料用と調理用の合計です。手を洗う・食器をすすぐといった生活用水は、この中に含まれていません。
思ったより多い、と感じた方が多いはずです。水こそローリングストックが向いています。箱買いして、古いものから麦茶や調理に使い、減った分を足す。それだけで備蓄になります。
夏の災害では、断水と暑さが同時に来ます。水分と電解質の考え方は熱中症と脱水を防ぐ、飲み方と食べ方もあわせてご覧ください。
※備蓄量の目安は2026年7月時点の公的資料に基づきます。ご家庭の人数・持病・乳幼児の有無で必要量は変わります。
よくある質問
Q. サプリメントを備蓄に入れるのはありですか?
普段から飲んでいるものがあるなら、数日分を持ち出し袋に入れておく価値はあります。ただし、非常時のためだけに新しく買い足すより、まず食品の箱(たんぱく質・野菜の代わり)を埋めるのが先です。食品は栄養と同時にエネルギーと満足感を運びますが、サプリは材料しか運べません。
Q. 何日分を備えればよいですか?
公的な目安は最低3日分、できれば1週間分です。まず3日分を3点セットでそろえ、余裕ができたら日数を伸ばす——の順が現実的です。
Q. 家族に持病があります。
治療食・お薬・アレルギー対応食品は、一般の備蓄より優先度が高い「その家だけの必需品」です。主治医・薬剤師に、災害時の備えについて一度相談しておくことをおすすめします。
🟢 かんたんまとめ
- 非常食はカロリー中心になりやすく、たんぱく質とビタミン・ミネラルが抜けがちです。
- 備蓄は主食+たんぱく質の缶詰+野菜の代わりの3点で考えます。
- ローリングストック=普段の食品を多めに持ち、食べたら買い足す。期限切れも防げます。
- 水は飲料用と調理用で1人1日3リットル×最低3日分。水こそ回しながら備える。
- アレルギーのある家族がいるなら、備蓄こそ表示確認を。
- 9月1日の防災の日は、賞味期限の点検日にする。
本記事は教育目的の情報提供であり、特定の効果を保証するものではありません。持病のある方・お薬を服用中の方・乳幼児や高齢のご家族がいる場合の備えは、医師・薬剤師・自治体の防災情報をあわせてご確認ください。
監修:大黒 充晴(柔道整復師(国家資格) / 杏林予防医学研究所「細胞環境デザイン学」上級講座修了 / JALNIマスター講座修了者 / 臨床歴23年) / 編集:不調を整える編集部